科学技術振興機構 ( JST ) によって、失敗知識データベースなるものが公開された。
失敗知識データベースは、科学技術分野の事故や失敗の事例を分析し、得られる教訓とともにデータベース化したもので、科学技術振興機構(JST)が無料で提供しています。
JST の失敗知識データベースより
…だ、そうである。 早速見てみたのですが、んー、イマイチですねぇ。
例えば、ランキングのページでは、閲覧回数の多い事例の名前が並んでいるんですが、そこから事例の詳細ページへのリンクは無い。 タイトルをコピペして検索するしかないのだ。 このサイトの作成者は、実際には使っていないんじゃないかなぁ…。 操作性が悪いよー。
あと、登録されている失敗事例の情報としての確かさが不明なものが一部見られますね。 これは「失敗から学ぶ」ということを標榜しているのならば、大きな問題かもしれません。
「H-2ロケット8号機打ち上げ失敗」という事例ですと、“情報源”には『H-2ロケット8号機打上げ失敗の原因究明及び今後の対策について(報告)、文部科学省 宇宙開発委員会 技術評価部会、平成12年5月18日』と書かれており、まぁ良さそうです。 原典にもあたれますし。
これが「カードル容器に三フッ化ホウ素充填中の配管破裂」となると、『高圧ガス保安協会』だけとなり、文献名が無くなります。 んー、不安ですね。
さらに「管制トラブルから旅客機と貨物航空機が空中衝突し、乗員乗客71名が死亡」では、URL の表示のみ ( 『 http://www2.justnet.ne.jp/~satoshitoyama/cadb/wadr/accident/20020701a.htm 』等 ) となってしまいます。 文献名は無しで、しかも href タグは打たれてません。 使いづらいー。 しょうがないので、URL をコピペして表示させようとすると…、表示されないゾ。 ヲイヲイ。 他に 2 つ URL がありますけど、BBC と毎日新聞ですね。 つーか、事例書いた人は事故報告書を見てないんですか??
そして、「52度の上昇角で離陸直後にA社航空機が墜落」だと……、http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/cadb/wadr/accident/20030108a2.htm 等のリンクで今度はたどり着けます。 が、見てみると失敗 DB の事例は、まんまそこからコピペされていることが判ります。 うーん、どうなんでしょうかねぇ。 原典の著作者表示も引用表示も無いってのは。 つーか、コピペはダメだろ。
「機械故障によるトルコ軍用機の墜落」あたりもそう。 これは別の人の WebPage の記述からコピペです。 あうー。
ところで、コピペという行為自体が良いとか悪いとかいうコトを、ウチは言いたいのではないんですよね。 元の文章の評価をせずにコピペしてすませているフシが見られるのが問題だと言いたいのだな。 その事故が参考になりそうなら、事故報告書なりを取り寄せて事例を書き起こせばいいのにコピペ。 なんだかなぁ、と。
あと、念のため書いておくと、ウチはコピペされた側のページの情報が不確かであると断じたいワケではないですよ。 うん。
まーそんなわけで、無駄な金使ってるなぁと感じた次第。
「失敗事例を積み重ねてそこから学ぶ」って、「判例を積み重ねて判例法を形作る」のと似ているのかな? そう考えると、失敗事例の信頼性は重要ですよねぇ。 信頼性の不確かなモノからは学べないんじゃないの? ということなのですけど。
実は、このプロジェクト自体すらも失敗と認識していて、そこからも学び良いモノ、良いデータベースを作って行く……、というのならば、見守ろうかと思うがね。 あー、ちょっと意地が悪いか。
以下追記
他にも“なんだかなぁ”な事例記述はたくさんあって、「ソフトのバグによるハイテク航空機の墜落事故」なんかだと、“事例概要”に『~PFCS(何の略語かよくわからないが、たぶんプロペラ飛行制御システム)リセットボタンが点灯し~』なんて書いてある。 正直だなぁとは思うが、そういうレベルなんですよね。 この DB は。
「燃料タンク爆発によるコンコルド機墜落で乗客等113名が死亡」なんかも酷いなぁ。 何故かは判らないが、社名や機種名を伏せ字にしてるんだよね。 で、そのせいなのか、伏せ字部分に誤りがあるんですよ。 ただ、誤り部分の文章はコピペ元の文章には無いので、記述者がどれだけ理解してるか疑問が残る。 つーか、本文内で B 型機と伏せているけど、タイトルには“コンコルド”と明示しているのが理解に苦しむね。 そして、伏せずにハッキリ書かれている他の失敗事例もあるわけで、更に理解に…。 もうバラバラなんスよ、事例毎に。
あと、“知識化”・“よもやま話”・“データベース登録の動機”とかの項目もツッコミどころ満載ですよ。 「A社ノートパソコンのセキュリティ上の問題」には、“データベース登録の動機”として『昨年、B型を購入しようと思っていたので、どの様な問題が起こったのか興味があった。』と書かれてるんですよね。 いやぁ、ホントに正直なのはいいけどさぁ、どーよ??
……てな具合に、読めば読むほど出てくるなぁ。 キリがないから、もう例示はヤメようと思うけど、平成 13 年度から整備して、平成 16 年度末の一般公開まで一体何をやってたんだろうかね!?
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